楽水流「乙女とシャンペトル 2」

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・ビオラ"気まぐれロージー"
・パンジー"ミュシャ"
・ジャノメエリカ
・チロリアンデイジー
・レインボーファーン
・ヒューケレラ"コッパーカスケード"
・フェンネル

朝から風が強く、雨。
しかし今のところ春に相応しい優しい雨で、街の桜も散り急ぐこともないだろう。
先程、月が満ちた。
四月の望月はピンクムーンと呼ぶらしい。
春らしい響きだ。
天気がこの調子では月は望めそうにないから、深海魚のように、夜は夜気の底でゆったりとたゆたおうか。
春の花が奏でる旋律を、この柔らかい湿度で包んで。
そう言えば今朝、百合の開花の瞬間を目にした。
音をたてて内側から弾かれ、花びらが一ひらほころんだ。
花の誕生の瞬間に立ち合ったような気がして、顔を近づけておめでとうと囁いておいた。

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去年の今頃、君はどんな感じだっただろうか。
あの頃より更に、夢の暮らしに近付いたりして。
まぁ、その分慌ただしくもなる。
君が定めた準備期間の残りを、味わうように暮せばいいのさ。
この街だからこそ出来る事もあれば、憧れの暮らしには足りない事もある。
けれど、今はこの街に居る。
そして、この街で生活をしている。
君のようにバイタリティーに溢れるタイプは、あの地の気が強い土地にはすぐに馴染むだろう。
振り返ればいつか、この今の暮らしはすっかり懐かしく形を変えて、何だか長い夢を見ていたように感じる時が来るのだろうよ。

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先日の、あの里の花見会。
曇天の下よく分からないままに時間は過ぎ、話に聞いていたN男にも初めて会った。
N男に、あの時写真を提供した者だと名乗ると、意外な顔をしていた。
こんな奴だとは思ってなかっただろうと聞くと、思っていなかったと僕の髪色を見て固まっていた。
失礼な奴だな、こんな奴ってどんな奴だよ。
全く笑える。
見た目で判断するのはつまらない。
しかし、時には見た目通りの物事もあったりする。
例えば、花のその美しさ。
花は飾りも誤魔化しもせず、ただ全力で表現している。
まぁ、食虫植物のように罠を仕掛けるタイプもあるけど。
皆、それぞれだ。
違って当然、その自由さが楽しい。
だから君も、つまらない事を言われてもそのままいけよ。
ただし、風呂ではうっかり寝ないように。

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時は春、清明の半ば。
また今宵その空を望月が照らし、生憎の雨でも空想の中で夜桜が月明かりに浮かび上がる。
いい時に生まれたもんだな。
美しい、春の最中に。
乙女の君は、ジャンヌダルクのような熱さを心に秘めてさ。
誕生日おめでとう。

静樹へ

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by tuchinoko-sha | 2017-04-11 16:24 | 楽水流 | Comments(0)