「夜の音」 / 詩

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不意に生まれた予定
君は思ったより やや早く着いたから
ちょっと季節外れな感じ
でも そこにあったから
素足に下駄で
夜に音をたてて
ちょっと急ぎ足な感じ
雨前の湿度が
音を まろやかに仕立てて
洗いたてだった髪からは
仄かに 杏子油の香り
下町の夜道を 人波に逆らって
こつこつと
君を迎えにゆく

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向き合って座るなり
「相変わらず美しいね」
なんて笑える
君は自己申告通り
ちょっと酔って来た感じ
でも君は
酔っても乱れないから好きさ
紅茶と果物でも如何
僕は葡萄酒をいただくけど
話にのぼる花々
金糸梅 向日葵 あと何だっけ
全部 黄色いね
一夜にして
君と共有したかった 数々が叶う
ちょっと明晰夢みたいな感じ
あれもこれも
見せたかったし 話したかった
とても不思議な夜
僕の方が歳上なのに
君の方が落ち着いて
そして僕は
馬鹿みたいに 無邪気になるんだ

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昨夜音をたてた あの夜道を
僕は 今日
まだ明るいうちに歩くよ
東から 久しぶりな人が来るんだ
「粛々と向かっています」
と言ってた
皆んな会いに来てくれて 嬉しいね
道は雨でよく濡れて
もう 長靴でも履いて行こうかな
嵐の前は
ちょっと秋らしい感じ
またいつか
君を迎えにゆこう
夜でも 昼でも
こつこつと 君を

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by tuchinoko-sha | 2017-09-16 15:44 | 文芸系 | Comments(0)